川連塗の家業を継ぎ、早いもので三十年が経ちました。 家族や友人、組合の皆さま、そして何よりお客様の支えがあったからこそ、今日という日を迎えられました。これまでの多大なるご厚恩に、深く感謝申し上げます。
決して平坦な道のりではありませんでしたが、自らの志を仕事にできる喜びを日々噛み締めております。
現代は大量生産の時代です。均質な製品が安価に届くのは便利なことですが、一品一品に魂を込める職人の仕事は、時代の流れに逆行しているのかもしれません。 しかし、一本の木から始まる自然の恵みに感謝し、丹念に塗り重ねられた「本物」には、手に吸い付くような温もりがあります。こればかりは、画面越しではお伝えしきれません。ぜひ全国各地の出店会場で、ご自身の目で見て、触れて感じていただければ幸いです。
漆への愛着ゆえ、ついお話が長くなってしまうこともあるかと思います。 私もそれなりの年齢になりましたが、職人の世界に終わりはありません。これからも現役の挑戦者として、一品一品に魂を込めたものづくりに励んでまいります。
今後とも山忠漆器を、どうぞよろしくお願い申し上げます。

